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安全配慮義務(Duty of Care): 不安定な情勢におけるトラベルリスクマネジメント

セーバー・メディアチームによるトラベル×テクノロジーの最新トレンド・ウォッチ

Sabre Insight~ 

 

セーバーは、旅行やメディア業界の経験豊富なスタッフによるメディア・チームを持ち、トラベル×テクノロジー業界の最先端のトレンドやイノベーションから旅行の未来を探る「News & Insight(ブログ)」を発信しています。セーバー・ジャパンでは、このブログから定期的に情報をピックアップして、日本の皆様にご紹介していきます。

安全配慮義務(Duty of Care): 不安定な情勢におけるトラベルリスクマネジメント

JETリスク・インテリジェンス・アラート・データ(グローバルに展開する総合リスクマネジメント企業)によると、過去5年間で公表されたアラート数は74%増を記録しています。優秀なトラベルリスクマネジメント対策を事前に講じようとする企業の背景には、このようなアラート数の増加が見られます。

 

トラベルリスクマネジメントの必要性

緊急時、出張者の安否確認や居場所の特定がリアルタイムで可能な技術により、出張者に必要な情報を提供し、事前にリスク軽減を図る対策が行われてきました。しかし、依然として、多くのグローバル企業は大惨事や事故が起こった際のリスク軽減とトラベルマネジメント対策について大きな課題を抱えています。2016年3月末、グローバル・ビジネス・トラベル・アソシエーション(GBTA)は、海外に拠点を置く自社のメンバーから企業データを収集し、リスクマネジメント対策の調査結果を発表しました。この調査結果によれば、81%の海外出張者が自社のリスクマネジメントについて、「効果的である」と回答したのに対し、13%は「あまり効果的でない」と答え、更に、28%は「リスクマネジメント対策が存在しない」、または「わからない」と回答しました。

出張者、TMC(トラベル・マネージメント・カンパニー)、トラベルマネージャーの最優先事項は出張者の安全と安全配慮義務

TMC(トラベル・マネージメント・カンパニー)は、自社のクライアントに対し、出張者の安全を守ることが最優先事項であると伝えています。事実、12ヶ月前と比較して、60%の出張者が出張に対する強い懸念を抱えており、78%の企業は今後、出張者の安全と防衛策を考慮し、優先事項として対応していくと発表しています。不安定な世界情勢が続く中、リスクマネジメントは企業の最大の課題です。

トラベルリスクマネジメントが抱える3つの課題

テロ事件が頻繁に取り上げられるようになりましたが、実際に出張者が巻き込まれやすいのは、窃盗や交通事故といった犯罪です。出張者が事件に巻き込まれた際の対応について、トラベルマネージャーやTMC(トラベル・マネジメント・カンパニー)が抱える課題を3つ紹介します。

 ① リスクアラートの情報が正確でない/情報の提供が遅い

多くの企業はニュースサイトやソーシャルメディアのデータをリスクアラートとして使用するプロバイダーと提携していますが、ニュースサイトやソーシャルメディアの情報は信憑性と正確性に欠ける場合があります。信頼性の高いプロバイダーを起用することが、効果的なリスクマネジメントプログラム構築の第一歩といえるでしょう。

② 不完全な出張情報

迅速かつ正確に、出張者の安否確認を行うことに課題を抱える企業は多く存在します。複雑な旅程を理解し、外部プログラムを活用できるパートナーと提携することで、正確性を高め、迅速に安否確認を行い、必要なサポートを提供できるようになります。

③ 出張者の危機管理不足

トラベルマネジメントに対する意識の低下は大きな課題の一つです。出張者の多くは自社のトラベルマネジメントに関する知識を持ち合わせていません。事前に出張者に自社のトラベルマネジメントの方針を理解してもらうことも、危機管理対策の重要事項です。

共通のプラットフォームを通し不確定要素を管理する

危機管理対策の一環として取り入れられるアプリケーションやツールは多く存在しますが、一般的に機能性が限られたアプリをダウンロードする傾向は低く、トラベルリスクなど、一つの分野に特化したアプリのダウンロードを拒む傾向がみられています。企業には、大きなトラベルプログラムにトラベルリスクマネジメント対策を組み込むことが求められています。

出張者が求めるトラベルリスクマネジメントを提供するための3つの方法

トラベルマネージャーやTMC(トラベル・マネージメント・カンパニー)が出張者の安全を守るため行うべき3つの方法を紹介します。

①準備

トラベルリスクマネジメントプログラムの一環として、出張者に必要なツール、サービス、対策を事前に提供し、リスク軽減とコスト削減を図ります。

 

②リアルタイムのモニタリング

海外の状況をリアルタイムで確認可能なツールや技術を導入します。天候被害やテロ被害といった事件に出張者が巻き込まれた場合、迅速な状況把握が可能となります。

 

③迅速な対応

事件や事故が起こった際、企業はいち早く出張者に、避難情報、医療サポート、安全サポート、緊急連絡先といった必要な情報を提供しなければなりません。管理者に関わらず、誰もが迅速に対応できるよう配備することが重要です。

 

安全配慮義務には緻密な計画、企業内での部署間の協力、出張者の安全を守るための特別なツールとサービスを提供する第三者機関との連携を高めていくことがなによりも重要です。

By Dustin Downing
プロダクトポートフォリオ戦略を管理するTripCaseの製品ディレクター。2008年、セーバーに入社して以来、プロダクトマーケティング部門において、モバイルソリューションと通信を使った顧客と空港会社、代理店、企業の連携強化に重点を置き、様々なプロジェクトに携わる。

詳しくはこちらをご覧ください。(英語)

https://www.sabre.com/insights/duty-of-care-managing-corporate-travel-risk-in-unstable-world/